イトウ先生のTips note連載

イトウ先生のTips note【Premiere Pro CC 2019】新しくなったアピアランス


こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今回は、Premiere Pro CC 2019、4月アップデートから新機能で、「新しくなったアピアランス」をご紹介します。
Premiere Pro CC 2019の4月アップデートより、エッセンシャルグラフィックスのアピアランスが新しくなり、テキストに複数のストローク(線)を設定したり、テキストの背景にざぶとんを、さらには長方形ツールで描いた長方形との組み合わせでグラフィッククリップ内にマスクなどが設定できるようになりました。
AfterEffectsやPhotoshopを経由せずに、Premiere Proだけでダブルエッジやトリプルエッジが作れるようになり、また、長方形ツールを使わずに、テキストのみでざぶとんが完結するようになりましたので、その辺りをご紹介したいと思います。

●さっそくやってみよう!

まずは、文字ツールで何らかのテキストを入力し、グラフィッククリップを作成した後、エッセンシャルグラフィックスパネルのアピアランスを確認します。ストロークの右側に「+」が表示されており、また「背景」と「テキストでマスク」というチェックボックスが追加、さらに、アピアランスタブの右側にはレンチのアイコンが追加されています。


ストロークにチェックし、幅を100pxと極端にすると、CC2019ではテキストのストロークに対して、AfterEffectsやIllustratorなどでいう、いわゆるマイター結合で線が結合され、セリフの尖ったところには線も尖って適用されるようになりました。

線の結合を変更するには、アピアランスタブの右にあるレンチのアイコンをクリックし、グラフィックプロパティの線の結合から変更することが可能です。

また、ストロークの右にある「+」をクリックすると、階層的に「下」に新しい線が追加され、線幅を変更することでダブルエッジやトリプルエッジが作れるようになりました。

さらに、「背景」にチェックを入れるとざぶとんが適用されようになりました。テキストとざぶとんとのオフセットは、テキストにストロークがある場合は一番外側にあるストロークの境界から、無い場合はテキストの境界から計測して、サイズのスライダーで設定します。

しかも、この背景ですが、テキストの改行や増減によって、自動的に背景の大きさが変わるすぐれものです。

●マスク

長方形ツールや楕円形ツールで描画したシェイプとテキストとの間で、マスクを設定することが可能になりました。例えば、CC2018までの方法と同様に、長方形ツールでざぶとんを作成するようなイメージで、テキストの背景に長方形を作成します。

長方形にグラデーションを適用します。アピアランスの「塗り」のカラーチップをクリックし、カラーピッカー上部から「線形グラデーション」を設定します。

参照タブからテキストを選択し、アピアランスの「テキストでマスク」をクリックすると、下にあるシェイプをテキストでマスクするため、以下のようにテキストにグラデーションを適用した効果を作ることができます。テキストそのものの塗りとストロークには直接グラデーションでペイントできないため、この方法を使うとグラデーションのテキストを作成することが可能です。

反転マスクにすると、シェイプをテキストの形状で穴を開けたような状態になります。

ストロークのみにグラデーションが適用された状態にするには、ストロークを設定したテキストでグラデーションのシェイプをマスクで抜いた後、それらをグループ化し、そのグループの上にストロークなしの元のテキストを乗せます。

グラデーションのシェイプをテキストでマスクした状態で、テキストの方にキーフレームを設定して動かすと、グラデーションのテキストが流れて動いてくるように見える、ということになるかと思いますが、今回のこのアップデートで、Premiere Proでのグラフィッククリップ内での表現が大きく変わったかと思います。これまでPhotoshopやAfterEfectsで行なっていたことも、Premiere Proだけで完結できることも増えましたので、ぜひバージョンアップして使って見てください。


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