イトウ先生のTips note【AfterEffects CC 2015】スクリプト
こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今週は、AfterEffects CC 2015から、スクリプトをご紹介します。
スクリプトは、単体または一連の操作をまとめて実行する一連のコマンドで、同じことを繰り返し行う必要がある作業や、テキストの検索置換、AfterEffects標準のパネル操作からでは利用できない機能を使うのに使用します。レイヤーの並べ替え、レンダリング完了をメールで通知、などです。
After Effectsのスクリプトには、JavaScript の拡張言語である Adobe ExtendScript(拡張子.jsx またはjsxbin)が使用されます。
●さっそくやってみよう!
スクリプトを使う前に、最初に環境設定でスクリプトを使用できる状態にしておく必要があります。環境設定 > 一般設定 > スクリプトによるファイルへの書き込みとネットワークへのアクセスを許可、にチェックをいれておきます。このチェックは、すべてのスクリプトでオンにしておく必要があるわけではありませんが、今回ご紹介する以下のスクリプトでは事前のチェックが必要になります。
●Demo Palette.jsx
まずは、スクリプトでどのようなことができるのかを知るために、Demo Paletteを使用するといいかと思います。
ファイルメニュー > スクリプト > Demo Palette.jsxを選択すると、以下のようなフロートパネルが表示されます。
パネルのボタンを読むとなんとなく意味はわかるかと思いますが、このDemo Paletteには、テキストの検索置換、レイヤーのソート、コンポジションのスケール調整、レンダリング終了をメールで通知、レイヤーのスケール調整、の機能が搭載されています。
●Find and Replace Text(テキストの検索置換)
選択中のテキストレイヤーに含まれる文字列を検索して、置換します。この機能は、アルファベットの大文字と小文字、半角数字と全角数字を区別して検索置換が行えます。日本語の検索置換も可能で、アルファベットと日本語を検索置換で置き換えることも可能です。また、複数のテキストレイヤーがある場合は、複数のテキストレイヤーを選択した状態で実行すると、選択してあるテキストレイヤーすべてを検索置換で置き換えます。
●Scale Composition(コンポジションのスケール調整)
コンポジションのスケールを調整します。コンポジションのサイズだけでなく、各レイヤーのサイズも設定した倍率に変更されます。なお、テキストのスケールは、フォントサイズを調整するのではなく、トランスフォームのスケールを調整することでサイズ変更します。
同様に、デフォルトで用意されているスクリプトだけでも様々なスクリプトが入っていますが、このスクリプトで便利なスクリプトがあればまたご紹介したいと思います。
●フリーで使えるスクリプト
フリーで使用できるAfterEffectsのスクリプトは、以下のページにサンプルがありますので、ぜひダウンロードして使ってみてください。スクリプトのファイル名を見れば、概ねどのようなことを行うスクリプトなのかは判断がつくかと思います。
redefinery
http://www.redefinery.com/ae/rd_scripts/
なお、ダウンロードしたスクリプトは、以下の箇所に入れておき、AfterEffectsを再起動して使用します。
Win:Program Files > Adobe > Adobe After Effects cc 2015> Support Files > script
Mac:Applications > Adobe After Effects CC 2015 > script
スクリプトの一番のメリットは、「手数の多い、面倒な作業を自動化する」にあるかと思います。些細な変更の場合には、スクリプトが期待通りに動いたかどうかの確認作業を伴うことから、かえってロスタイムになることもあるため、同じような操作を何度も行わないと行けない、というものに使用するといいでしょう。
この記事を読んだ方にオススメの講座はこちら!
▼AfterEffects CC 2014の使い方・実践トレーニング
イトウ先生のTips noteアーカイブ【2016年~】
イトウ先生のTips note アーカイブ【2010年~】(別サイトに飛びます)
○データを軽く作る方法について
○シンボルの親子関係について・その1
○編集モード
○シンボルの親子関係について・その2
○カラーパネルの「使えるショートカット」
○カラー一括変換のグローバルスウォッチとは
○配置した画像のすばやい編集方法
○CS5新機能01:すべてのアートボードにペースト
○CS5新機能02:内側描画と背面描画
○CS5新機能03:Web・インタラクション用のデザイン
○CS5新機能04:遠近描画
○CS5新機能05:線パネルと線幅ツール
○AIのテキストのアピアランス
○SVGインタラクティビティ
○CS6の新機能:線へのグラデーションと不透明マスク・矩形以外のパターン図柄登録
○Illustrator CS6のCreative Cloudメンバー限定機能
○Illustrator CCの新機能
○Illustrator CCの新機能:CSSプロパティ
○IllustratorCC_R1での便利な新機能
○AI、PS、IDなどで使える音声入力
○SVGのレスポンシブ機能
○Illustrator CC 2014:連結ツール
○Illustrator CC 2014:曲線ツール
○Illustrator CC 2014:モザイクスケッチと画像トレースの違い
○Illustrator CC 2015:シェイパーツール
○ななめの画像をまっすぐにする方法
○自然な合成テクニック・角版
○自然な合成テクニック・切り抜き画像
○画像合成後の便利なショートカット
○調整レイヤー
○レイヤーパネルの不透明度と塗りについて
○不透明度のショートカット
○CS5新機能01:「コンテンツに応じる」機能
○CS5新機能02:絵筆ブラシと混合ブラシ
○CS5新機能03:人の記憶に近い画像・HDRについて
○CS5新機能04:パペットワープ
○CS5新機能05:3Dオブジェクトとアニメーション
○美しいモノクロ画像の作り方
○境界部分をきれいにカラー変更する方法
○Photoshop CS6 特集・その1(全3回)
○Photoshop CS6 特集・その2(全3回)
○Photoshop CS6 特集・その3(全3回)
○2つの画像の違いを調べる、差の絶対値
○Photoshop CS6だけで作るビデオ・その1
○Photoshop CS6だけで作るビデオ・その2
○Photoshop CS6だけで作るビデオ・その3
○CSSの読み込み(スウォッチカラー)と、 CSS書き出し(CSSをコピー)について
○条件付きアクション
○Photoshop CCの新機能
○Photoshop CCの新機能:Generator(ジェネレーター)
○PhotoshopをJavaScriptで操作するAdobe Extendscript Toolkit CC
○新しいスクリプトパターンと、リンクを配置について
○変数
○Photoshop CC 2014:「配置」と「パッケージ化」
○Photoshop CC 2014:焦点選択と測定ガイド
○Photoshop CC 2014:3Dプリント
○Photoshop CC 2014:CameraRaw 8.7
○Photoshop CC 2014:シェイプから新規ガイドを作成と、新規ガイドレイアウトを作成
○Photoshop CC 2014:PhotoshopとAfterEffectsで使える、カラールックアップテーブルの書き出し
○Photoshop CC 2015:アートボード
○Photoshop CC 2015:かすみを除去する
○CS5新機能01:IKボーンスプリングでバネアニメ
○CS5新機能02:コードスニペットパネルで簡単ActionScript3.0
○CS5新機能03:パターン描画ツール
○CS5.5新機能01
○CS6の新機能01:Toolkit for Create JS・その1
○CS6の新機能01:Toolkit for Create JS・その2
○Flash CC:Toolkit for CreateJSに代わる、新しいHTML5書き出し
○Flash CC:HTML5 Canvasでサポートされない機能
○Flash CC 2014:線幅ツールとSVG書き出し
○Flash CC 2014:アニメーションガイド
○Flash CC 2014:オーディオを分割
○Flash CC 2015:復活したボーンツール
○CS5新機能02:アニメーションパネルとタイミングパネルを使った、IDのモーションプリセット
○CS5新機能03:キャプションの自動作成機能
○CS5新機能04:オブジェクトの間隔と配置
○CS5新機能05:画像一括貼り替え
○CS5.5新機能01:EPUB書き出し
○CS5.5新機能02:アンカー付きオブジェクト
○データ結合(メールマージ)
○CS6の新機能1:レイアウト・リキッドレイアウトと、ePub書き出し
○CS6の新機能2:コンテンツ収集ツール・コンテンツ配置ツール・リンクとして配置
○CS6の新機能3:「HTMLを挿入…」の機能からGoogleMapの読み込みについて
○InDesign CCの新機能:QRコードを生成
○InDesign CC :タグを割り当て
○InDesign CC :効率化されたハイパーリンク
○InDesign CC :スクリプト
○InDesign CC 2014 :カラーハーモニーを抽出する、カラーテーマツール
○InDesign CC 2014 :元のレイヤーに戻してグループ解除
○InDesign CC 2015 :段落の背景色
○InDesign CC 2015 :字形を簡単に選択
○CS5新機能02:HTML5 Pack
○CS5新機能03:スマートフォン検証・CSS3のメディアクエリー
○CS5新機能04:ブラウザ検証便利ツール・Adobe BrowserLabについて
○CS6の新機能1:可変グリッドレイアウト
○CS6の新機能2:jQuery Mobile 1.0 と jQuery Mobile スウォッチ
○CS6の新機能3:CSSトランジション
○CS6の新機能4:HTML5ビデオ
○CS6の新機能5:Webfontsの使い方
○Dreamweaver CCの新機能:jQuery UI
○Dreamweaver CCとCS6での、CSSの作り方の違い
○Dreamweaver CC:新しいビヘイビア
○Dreamweaver CC 2014:新しいライブビューとエレメントクイックビュー
○Dreamweaver CC 2015:Emmet
○Dreamweaver CC 2015:ビジュアルメディアクエリー
○Dreamweaver CC 2015:DOMパネル
○Dreamweaver CC 2015:新しくなったスニペット
○Dreamweaver CC 2015:JavaScriptを外部化
○CS5新機能02:新しい便利なショートカット
○CS5 パペットアニメーションと、時間反転キーフレーム
○CS5 ビデオや画像の型抜きについて「トラックマットとステンシルアルファ」
○CS5 動画の動きを捕らえて、他のレイヤーに適用する「モーショントラック」
○CS5.5 ワープスタビライザー
○CS5.5 ブラー・互換・タイムコード
○CS5.5 「シャドウを落とす・受ける」機能
○CS5.5 エクスプレッション・その1
○CS5.5 エクスプレッション・その2
○CS5.5 エクスプレッション・その3
○CS6の新機能1:ベクトルレイヤーからシェイプを生成
○CS6の新機能2:3Dカメラトラック
○AfterEffects CCの新機能:ワープスタビライザーVFX
○AfterEffects CC・レンダリングの変更点
○AfterEffects CCの新機能:マスクをトラック
○AfterEffects CCの新機能:ピクセルモーションブラー
○AfterEffects CCエッジを調整ツール
○AfterEffects CC モーションスケッチ
○AfterEffects CC 2014:HTML5パネルSDK(その1)
○AfterEffects CC 2014:HTML5パネルSDK(その2)
○AfterEffects CC 2014:4KビデオのYouTubeへのアップロード
○AfterEffects CC 2014:相対的なプロパティリンクと一緒にコピー
○AfterEffects CC 2014:モーフィング
○AfterEffects CC 2014:画像やビデオ等からカラーを抽出し、他のレイヤーに適用するsampleImageメソッド
○AfterEffects CC 2014:監視フォルダーの使い方
○AfterEffects CC 2014:カラープロファイルの使い方
○AfterEffects CC 2015:顔のトラッキング
○AfterEffects CC 2015:タイムチューナー