第3回:今、権利について知っておくべき理由(その3)

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こんにちは。9月に刊行された「著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本」という書籍の編集を担当した岡本です。

この連載は、おかげさまで発売後2週間で増刷が決定するなど、ご好評をいただいております「クリエイターのための権利の本」の一部を紹介するものです。第1章「クリエイターが権利について知っておくべき理由」をノーカットでお届けします。どのような書籍かは、このページの下の方に載せておりますので、ぜひご参照ください。

それでは、さっそく本題へと参りましょう。

●第1章「クリエイターが権利について知っておくべき理由」の概要

近年、著作権に対する意識が急速に高まってきています。この章では、現代のクリエイターが著作権の知識を身につける理由について、実際に起こったトラブルを例に解説をしていきます。

クリエイターは権利のことについて無頓着な人が多いようです。しかしクリエイターは、他人の権利を侵害する可能性も、逆に他人から権利を侵害される可能性も、非常に高い職種です。これからのクリエイターは、自分の身を守るためにも権利について知っておくべきです。

●契約でトラブルを避けることができる

クリエイターが企業のクライアントのために成果物を制作するときにどれくらい事前に契約書を交わしているでしょうか? 契約書を交わさず、そして条件をきちんと話し合わずに成果物を納品し、後日、成果物の著作権がクリエイターとクライアントのどちらにあるのか争いになったり、クライアントが利用できる範囲について争いになったりするのは典型的な紛争パターンです。

当然ながら争いはお互いに避けたいものです。それなのに、この種の紛争は繰り返し裁判になっています。

クリエイターが納品したデザインがクライアントの商品パッケージに使用され大ヒットしたときに、納品したデザインは著作権侵害だとクライアントが訴えられ商品を回収することになったらどうなるでしょうか。その時、何も契約で責任範囲を決めていなかったら、クライアントから莫大な損害賠償請求をされることもありえます。契約について理解しておくこともクリエイターが身を守るためには欠かせません。

MEMO

契約については本書CHAPTER5「契約・権利の所在」で取り上げています。巻末には契約書のサンプルも掲載されています。

自分の身を守るためにも契約書を交わす癖を付けよう

●クリエイターが自分で自分の権利を守る時代の到来

インターネットの世界は、自分の著作物を、無断で複製・改変され、世界中に拡散される危険性が常に存在しています。自分が時間をかけて何度も修正して苦労の末に生み出した著作物を勝手に他人が使用して、しかもそれによって利益を得ていたら、クリエイターはどのような手段をとれるでしょうか? TwitterやInstagramなどで自分の作品が無断で使用されていたらどうでしょうか? 相手をどうやって見つければよいでしょうか? 相手が無断使用を認めたときにどれくらいお金を払ってもらえるのでしょうか? その時になって慌てないように、自分にはどのような権利があるのかを理解して適切な選択ができるように、例えば少額訴訟など、自分でもできる対抗手段についても知っておくべきです。

MEMO

Twitterなどのインターネットサービスの多くは、著作権侵害をされた場合にプラットフォームに通報する窓口が存在します。

いかがでしたでしょうか。インターネットの世界が一般化したからこそ、重要となる契約書について気付いていただけましたでしょうか。契約書や契約書で守られる権利については、詳しくトラブル事例を交えて解説していますのでご覧になってみてください。

それでは、次回の連載更新をお楽しみに。

書籍概要

プロ・アマを問わずクリエイターやコンテンツ制作に従事する方が知っておかなければならない権利や法律について、具体的に「やっていいこととやってはいけないこと」「トラブルになってしまった時の対処方法」を紹介します。これまでの著作権関連の書籍のように、法律の解釈よりも、実務ベースで、よくあるケースごとにOKなのかNGなのかを「それぞれの部門のプロフェッショナル」が答える内容です。

クリエイターのための権利の本の表紙

著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本

定価:本体2,400円+税
判型:A5判/224ページ/2色
ISBN:978-4-86246-414-9
発売日:2018年9月27日
発売元:ボーンデジタル
著者:大串肇、北村崇、染谷昌利、木村剛大、古賀海人、齋木弘樹、角田綾佳

出版社サイト
https://www.borndigital.co.jp/book/6761.html

●著者プロフィール

大串肇
株式会社mgn 代表取締役

Webサイト制作ディレクション業において、一般企業や開発会社と一緒にプロジェクトを円滑に効率的に進めるのが主な仕事。IT系の勉強会で行われる5分程度のライトニングトークにおいて、毎回聴衆を盛り上げることを得意とし、界隈ではLT職人と呼ばれている。 趣味はゲームをすること(上手くない)と、愛妻&愛犬とお散歩に行くこと。 Gitの勉強会を定期的に行なっている。 2013年のWordCampTokyo 実行委員長。
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