レーザー加工機を使った後加工レポート(しくみちゃんが行く!)「DTP&印刷スーパーしくみ事典」番外編

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はじめまして、グラフィックデザイナーの齊藤 聡昌です。「DTP&印刷スーパーしくみ事典」番外編の連載第2回を担当させてもらいます。よろしくお願いします。

印刷となると紙があって、版があって、インキがあってとなりますが、印刷工程の次に行う「加工」に注目しています。そこで、個人でも導入できるレーザー加工機を使った後加工について書きたいと思います。

グラフィックの仕事をされている方は、MacやPC、プリンターやスキャナーなどの周辺機器をお持ちだと思います。そこにレーザー加工機があると、用紙などを複雑な形状に切断したり、木材や革などに彫刻加工をできるようになり、制作の幅が広がります。

手頃になったレーザー加工機

近年3Dプリンターが話題になっていますが、小型のレーザー加工機も低価格な商品が発売され、組み立て式で5万円ほどから手に入れることができるようになっています。

レーザー加工機はパソコンで作成したデータを元に素材を切断したり、素材表面に彫刻できる装置で、多くはIllustratorで作成したデータから出力できます。

商用では、サイン・ディスプレイ業界や木工加工、樹脂加工、ファブリック加工、建築模型、ギフト商品や文房具の名入れなどで使用されています。レーザー加工機は炭素ガスレーザー(CO2レーザー)やYAGレーザーが主流ですが、小型の加工機では半導体レーザーを使うものもあります。

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私が購入したのはPodeaが販売している「Podea-01」というレーザー加工機です。組み立て式ではなく完成品なので、購入してすぐにレーザー加工を行うことができますし、しっかりとしたアルミボディで安全に考慮された設計になっています。

価格は1.6Wの基本モデルで89,800円(税別)と3Wモデルの119,800円(税別)、更に8月中旬には6Wモデルがリリースされるそうです。

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Podea-01は加工エリアが320×220mmまで確保されているので、A4サイズであれば十分に加工することができます。また、レーザーポインタによる位置合わせやハニカムテーブルが標準搭載されているので、初心者でも直ぐに使うことができます。
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Podea-01ではPodeaソフトウェアを使用して加工機にデータを送りますが、今のところWindows用しかありませんのでParallelsを使用しています。Illustratorのスクリプトが支給されているので、MacのIllustratorでデータを作成したら、スクリプトでWindowsのPodeaソフトウェアへデータが受け渡す流れを作れることもあり、それほど手間ではありません。

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実際に何ができるか

レーザー加工機は、材料の切断加工と彫刻加工ができるだけ、といってしまえばそれまでですが、アイデア次第では3Dプリンターよりも遙かに使用範囲が広いのではと思います。加工可能な材料や厚さは使用されるレーザーの種類や出力によって変わってきますが、用紙や革、木材、カッティングシート、フェルトなどにも対応可能です。

ここからの写真は、私がレーザー加工機を使い、サンプルとして作成したものです。実は使い始めてまだ3ヶ月しか経ってないのですが、楽しくていろいろと作ってしまいました。

03ポップアップカード

04コルクへの彫刻

05革への彫刻と切断加工

06スタンプ

07木材への彫刻と切断加工

08MDF板の加工

 プロトタイピングとして加工機を使う

私はグラフィックデザインの仕事をしていますが、デザインを印刷する以外にも、紙は様々な形状に切ったり、折ったり、貼ったりなどの加工が施せる素材です。

パッケージやグッズなどでは紙だけではなく、ファブリックや革、樹脂などを素材として使用することもあります。

個人向けのレーザー加工機では、そのまま商用利用には向きませんが、個人向けレーザー加工機でプロトタイピングを行い、実生産では加工会社に外注するフローはもっと増えてくると考えられます。

また最近では、ファブラボなどの施設が賑わっています。最初はそれらの場を利用してみるのが良いでしょう。レーザー加工機だけでなく、3DプリンターやCNCフライスなど、機械によってどのような加工ができるのか、ぜひ覗いてみて下さい。

アイデアさえあれば、それを形にすることが以前よりも低コストで可能になりました。DIYブームやZINEブーム、ファブラボなどの賑わいでも分かるように、デザインやものづくりが一般の人たちにも非常に身近になってきています。

デザインを仕事にする者にとって、そのことは非常に喜ばしいことです。社会の中にデザインやものづくりが浸透することで、より良いデザインやものづくりの価値観が共有され、その評価がきちんとなされるようになっていくのだと思います。

文:齊藤 聡昌
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