漫画の翻訳本は左開き?右開き?
いわゆる日本の漫画が、広く海外で翻訳出版されているのは、皆さんもご存じのことと思います。
日本の漫画は、棒組み中心の文芸書などと同じく、右開き・縦組みです。一方、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語etcの言語は、左開き・横組みが基本です。
文字組みの違いから、少し前までは漫画を逆版させ、左開き・横組みに直して(?)出版されていました。しかし最近では、逆版せずにそのまま用いて、右開き・横組みにするケースが増えて来ているそうです。
読みにくくないのかな?と老婆心がわき出てましたが、現地の人は「そういうもの」として、さほど違和感なく読めているそう。そもそも現地の漫画と日本の漫画を、同じものとして捉えていないということらしいです。
これはディズニーアニメとジブリアニメを同じ目線では見ないということと同じ感覚でしょうか……?
考えてみれば、日本語の右開きの雑誌も、キャプションは横組みです。今や、これに違和感を持つ人は少ないでしょう。また、神社仏閣などの歴史のある場所などで見ることができますが、昔の日本語の横組みは、右始まりでした。
日本語も文字組みも、時代によって変わってくるということは、そのときにおける感覚的な見た目の美しさが、組版にとって一番大事なのではないかと思った次第です。
なお、世界の文字組みの概要はこちら↓が参考になります。
●世界の文字
http://www.chikyukotobamura.org/muse/wr_column_3.html