デザイン雑話連載

【TED】街の旗が、誰にも気づかれない最悪のデザインになる理由

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皆さん、各都道府県に旗があることをご存じですか? 東京都のシンボルはなんだったかなー?と思って検索してみたらイチョウの葉でした。そうでした。確かに見かけたことがあります。ちなみにイチョウの形は、“TOKYO”の頭文字であるアルファベットの「T」を図案化したもので、躍動、繁栄、潤い、安らぎを表現している、だそうです。
wiki「都道府県章」
wiki「東京都シンボルマーク」
wiki「東京都の区市町村章一覧」

先日、ETVで放送されているTEDを見ていたら、たまたま旗のデザインをテーマとしたプレゼンテーションを行っていましたので、紹介したいと思います。
旗のデザインには、5つの基本原則があるそうです。その答えは8:40あたりに出てきます。今は見てる時間がないよ!音が出せないよ!という人は下記をご覧ください。また字幕付きは、TED公式サイトの動画(リンクあり)をご覧ください。


ローマン・マーズは旗に取り憑かれていますが、このトークを聞けばあなたもそうなるかもしれません。旗は、どこにでも見られる市民の誇りの象徴ですが、デザインが酷い場合も多いのです。でも、これをそのままにしておく手はありません。旗の研究「旗章学」に関する、驚くような面白い話を通して、マーズは旗をデザインする時の5つの基本原則を明らかにします。そしてその原則が、ほぼあらゆるデザインに当てはまる理由を教えてくれます。

■TED ローマン・マーズ: 街の旗が、誰にも気づかれない最悪のデザインになる理由


<旗章デザインにおける5つの基本原則>
●子どもがマネできるくらいシンプルであること
●関連・意味のある記号(形)を用いること
●2〜3色で構成されていること
●文字や紋章が使われていないこと(何も書いてはいけない)
●特徴的であること

また、旗章と紋章の違いについても語っています。旗章は遠くから離れて見るもの、紋章は近くに寄って見るものに使われるマークであり、言語に頼らないビジュアルと、それがあることによって好循環を生み出すデザインが、旗として優れているそうです。
そして旗をデザインするときは、「まず、紙に2.5cm×3.8cmの長方形を描くことから始めます。この小さな長方形にデザインを収めるのです。これには理由があります。1m×1.5mの旗が30m先のポールに掲げてある場合、2.5cm×3.8cmの長方形を目から約40cm離して見るサイズとほぼ同じです。この制限を守れば、デザインがとてもシンプルで魅力的になります。」と言っています。

なるほど!これはパソコンで絵を描くときに全体を縮小表示して確認するのと同じですね。

ただ言うまでもなく、優れたデザインが生き残るためには、デザインを選ぶ方のリテラシーもものすごく重要です。最終的に特徴やセンスのないデザインができあがるのは、決してデザイナーのせいだけではありません!プレゼンには、民主主義とデザインの相性の悪さの例も出てきますので、ぜひ時間のあるときに動画もご覧ください。

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