イトウ先生のTips note連載

イトウ先生のTips note【Illustrator Beta版】コメントパネル


こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今回は、Illustrator Beta版から開発中の機能で、「コメントパネル」をご紹介します。

この機能は、クリエイティブクラウドの機能へのアクセスを容易にした機能となりますが、Illustratorで作成したドキュメントをクラウド上に直接保存し、保存したドキュメントに対して複数のユーザーからコメントを募り、デザインの確認や校正などが行える機能になります。

クラウド上にすでに保存済みのファイルに対するコメントは、Web版のクリエイティブクラウドにログインすることでコメント可能ですが、データの確認や校正をリアルタイムにオンラインで直接コメントし合って行う、また、複数のデザイナーが共同のデザインを行う場合に、チャットのようにコメントしながらデザインを進めていく、ということを可能にする機能で、データの確認や校正のプロセスを大幅に時短することが可能になるものです。

ただし、クラウド上にドキュメントを保存する、ということに対してまだ一般的では無い部分もあるかもしれません。特に非公開のデザイン案など、現段階では公にできないものなどをクラウド上に預けるには抵抗がある、または、プライバシーマークを取得されている企業では外部にデータは出せない、などの制限があるかもしれませんが、公開可能なもの、また、ドキュメント全体ではなく、オブジェクトの一部分だけ、など、利用できるところから利用してみる、という形でもいいかと思います。

クラウドを使用しない場合は、PCの中に一度保存して、メールで送信して確認してもらい、返信を待ち、修正して戻す、といった、一連の作業が必要になりますが、これらが1つのパネルの中だけで完結するものになりますので、試してみる価値はありそうな機能になります。

●さっそくやってみよう!

Illustrator Beta版そのもののインストール方法や、何が新たに加わったか?の確認方法、Betaに不具合があった場合の報告の仕方、に関しましては、以前のブログイトウ先生のTips note【Illustrator Beta版】回転ビューツールを参照していただきたいのですが、今回は具体的なオペレーションからご説明したいと思います。

ドキュメントを保存する際、クラウド上に保存することでこの機能が使用できるようになりますが、まずは、ウインドウメニュー > コメントを選択し、コメントパネルを表示しておきます。

アートボード上に何らかのオブジェクトを作成、または確認・校正が必要なオブジェクトをコピーペーストし、コメントパネルにある【続行】をクリックします。

すると、そのままクラウドに保存するウインドウが表示されます。そのまま名前をつけて保存すると、このファイルは(ログイン中のユーザーIDの)クラウド上に保存されます。

保存と同時にコメントパネルに【共有】のボタンが表示されるため、クリックすると、ウインドウ上部にある【編集に招待】が展開し、共有する方のユーザーID(Adobe IDに登録してあるメールアドレス)を入力するよう促します。

招待したい方のユーザーID入力し、任意でコメントを入力した後、【編集用に招待】をクリックすると、招待状を送りました、のメッセージを返し、編集のメンバーに追加されます。

招待されたユーザーは、受信したメールから編集に参加してきますが、それまでの間、コメントパネルにメッセージを入力して待機します。

質問がクリアになったものや解決した事案などは、そのコメントに対してフラグを設定することが可能です。

なお、クラウド上に保存されたデータを削除する、またローカルにダウンロードする等の操作は、Creative Cloud Webから行いますが、Creative Cloud Webへのアクセスは、Creative Cloudアプリケーションを起動し、雲のアイコンからハイパーリンクを辿ります。

ブラウザが起動するため、ユーザーIDとパスワードでログインした後、クラウドドキュメントのタブから、削除したいファイルを選択して削除します。

この機能は、アプリケーション側の新機能ではあるものの、【複数名で同時に活用する新しいコミュニケーション手段の新機能】とも言えるため、招待する側も招待される側も、この機能のことを予め知っていないといけませんので、市場に浸透していくには少々時間がかかるかもしれませんが、まずは社内だけで利用してみる、オブジェクトの一部分だけで試してみる、など、実際に使っていくと、これまでの【PCの中に一度保存して、メールで送信して確認してもらい、返信を待ち、修正して戻す】に比べて、格段にレスポンスがあがるかと思いますので、興味がある方はぜひ使ってみてください。


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イトウ先生のTips noteアーカイブ【2016年~】

○Illustrator CC 2015:シェイパーツール
○Illustrator CC 2015:ダイナミックシンボル
○Illustrator CC 2015:画像に書き出し・アセットの書き出し
○Illustrator CC 2017:サンプルテキストと異体字のコンテキスト表示
○Illustrator CC 2017:画像の切り抜き
○Illustrator CC 2018:バリアブルフォント
○Illustrator CC 2018:パペットワープ
○Illustrator CC 2018:変数パネルを使用したデータ結合・1
○Illustrator CC 2018:変数パネルを使用したデータ結合・2
○Illustrator CC 2018:テキストのデザインセット
○Illustrator CC 2018:新しくなったアートボード操作
○Illustrator CC 2019:フリーグラデーション
○Illustrator CC 2019:コンテンツに応じた切り抜き
○Illustrator CC 2019:グローバル編集
○Illustrator CC 2019:トリミング表示とプレゼンテーションモード
○Illustrator 2020:自動スペルチェック
○Illustrator 2020:カスタムツールバー
○Illustrator 2020:100倍のカンバスサイズ
○Illustrator 2020:カンバス上のオブジェクトのロック解除
○Illustrator 2020:グリフにスナップ・整列と、フォントの高さ設定
○Illustrator 2021:オブジェクトを再配色・カラーテーマピッカー
○Illustrator 2021:リピートアートワーク
○Illustrator 2021:角度ガイドにスナップの向上
○Illustrator 2021:日本語のグリフにスナップ
○Illustrator Beta版:回転ビューツール
○Illustrator 2021:書式なしでペースト
○Illustrator Beta版:3D・マテリアル
○Illustrator Beta版:コメントパネル
○Photoshop CC 2015:アートボード
○Photoshop CC 2015:かすみを除去する
○Photoshop CC 2015:クイック書き出し
○Photoshop CC 2015:遠近法ワープ
○Photoshop CC 2015:顔立ちを調整
○Photoshop CC 2015:切り抜きのコンテンツに応じた塗りつぶし
○Photoshop CC 2015:マッチフォント
○Photoshop CC 2017:OpentypeSVGフォント
○Photoshop CC 2018:対称ペイント
○Photoshop CC 2018:被写体を選択
○Photoshop CC 2018:球パノラマ編集
○Photoshop CC 2018:曲線ペンツール
○Photoshop CC 2018:範囲マスク
○Photoshop CC 2019:フレームレイヤー
○Photoshop 2020:オブジェクト選択ツール
○Photoshop 2020:新しくなったワープ
○Photoshop 2020:新しくなった属性パネル
○Photoshop 2020:コンテンツに応じた塗りつぶし(全レイヤー対象)
○Photoshop 2020:パノラマのエッジを塗りつぶす
○Photoshop 2020:シャドウ・ハイライト
○Photoshop 2020:コンテンツに応じた被写体を選択
○Photoshop 2020:CameraRaw12.3
○Photoshop 2020:フォントの自動アクティベーション
○Photoshop 2020:回転可能なパターンの追加
○Photoshop 2021:空を置き換え
○Photoshop 2021:ニューラルフィルター
○Photoshop 2021:コンテンツに応じたトレースツール
○Photoshop 2021:シェイプの強化されたプロパティ・三角形ツール
○Photoshop 2021:改善されたニューラルフィルター
○Photoshop 2021:分割ワープグリッド内の変形
○Photoshop 2021:他の空を取得

○AfterEffects CC 2015:顔のトラッキング
○AfterEffects CC 2015:タイムチューナー
○AfterEffects CC 2015:AIデータはレイヤーに分配で取り込む
○AfterEffects CC 2015:プレビューのコントロール
○AfterEffects CC 2015:スクリプト
○AfterEffects CC 2015:新しくなったMAXON CINEMA 4D Exporter
○AfterEffects CC 2015:マスクリファレンス
○AfterEffects CC 2015:スムーザー
○AfterEffects CC 2015:立体の旗を作る・1
○AfterEffects CC 2015:立体の旗を作る・2(CINEMA 4Dレンダラー)
○AfterEffects CC 2017:強化されたライブテキストテンプレート
○AfterEffects CC 2017:日付のトークン
○AfterEffects CC 2017:マーカーデュレーション
○AfterEffects CC 2017:他のレイヤーのエフェクトをプリコンポーズ無しで参照する
○AfterEffects CC 2017:拡張された平面フォルダ
○AfterEffects CC 2017:レイヤーのあるコンポジションに変換
○AfterEffects CC 2017:現在のフレームから静止画を作る
○AfterEffects CC 2017:最後のフレームでフリーズ
○AfterEffects CC 2017:サウンドの振幅を他のレイヤーで活用する、オーディオ振幅
○AfterEffects CC 2017:カンマ区切りの文字列をランダムに表示する
○AfterEffects CC 2017:CC Light Raysとトラッカー
○AfterEffects CC 2018:パスからヌルを作成
○AfterEffects CC 2018:モーショングラフィックステンプレート
○AfterEffects CC 2018:マスタープロパティ
○AfterEffects CC 2018:プロパティリンクのピックウィップ
○AfterEffects CC 2019:レスポンシブデザインー時間
○AfterEffects CC 2019:パペットベンドピン
○AfterEffects CC 2019:Mocha AE CC プラグイン
○AfterEffects CC 2019:Animate CC FLAファイルの読み込み
○AfterEffects CC 2019:コンテンツに応じた塗りつぶし
○AfterEffects CC 2019:トレイル(オニオンスキン)
○AfterEffects CC 2019:スネークケースとキャメルケース
○AfterEffects CC 2019:エクスプレッションを使った点灯・点滅
○AfterEffects 2020:エクスプレッション・text
○AfterEffects 2020:テーパー・波
○AfterEffects 2021:モーショングラフィックステンプレート内のメディアの置き換え
○AfterEffects 2021:リアルタイム3Dドラフトプレビュー
○AfterEffects Beta版:マルチフレームレンダリング
○Premiere Pro CC 2015:Lumetri
○Premiere Pro CC 2015:デュレーションの補間方法
○Premiere Pro CC 2015:Liveテキストテンプレート
○Premiere Pro CC 2015:インジェスト設定とプロキシ
○Premiere Pro CC 2015:オープンキャプション(字幕)
○Premiere Pro CC 2017:VRワークフロー・その1
○Premiere Pro CC 2017:VRワークフロー・その2
○Premiere Pro CC 2017:グラフィッククリップとエッセンシャルグラフィックスパネル
○Premiere Pro CC 2017:キーボードショートカット
○Premiere Pro CC 2018:レスポンシブデザイン
○Premiere Pro CC 2018:複数のプロジェクトを同時に開く
○Premiere Pro CC 2018:スマホで撮ったビデオ(VFRビデオ)のサポート
○Premiere Pro CC 2018:自動ダッキング
○Premiere Pro CC 2018:比較表示と自動カラーマッチング
○Premiere Pro CC 2018:自動ラウドネス
○Premiere Pro CC 2019:ベクトルモーションコントロール
○Premiere Pro CC 2019:新しくなったアピアランス
○Premiere Pro CC 2019:ガイド
○Premiere Pro CC 2019:マスクトラッキングの高速化
○Premiere Pro CC 2019:クロマノイズ除去
○Premiere Pro CC 2019:フリーフォーム表示
○Premiere Pro 2020:オートリフレーム
○Premiere Pro 2020:20000%のタイムリマップ
○Premiere Pro 2020:プロダクション
○Premiere Pro 2020:アンカーポイント操作
○Premiere Pro 2020:シーン編集の自動検出
○Premiere Pro Beta版:読み込み・書き出しワークフロー
○Premiere Pro 2021:音声テキスト変換
○Premiere Pro 2021:レガシータイトルのアップグレード