イトウ先生のTips note連載

イトウ先生のTips note【Photoshop 2020】CameraRaw12.3


こんにちは、イマジカデジタルスケープの伊藤和博です。
今回は、Photoshop 2020、2020年6月アップデートから新機能で、「CameraRaw12.3」をご紹介します。

Photoshop 2020の6月アップデートから、CameraRawも12.2から12.3にバージョンアップし、部分補正系の各機能(補正ブラシ、段階フィルター、円形フィルター)に対し、色相スライダーが追加され、画像の特定部分のみ色相スライダーによる調整が可能になりました。

また、切り抜きツールのオーバーレイ表示による正確な切り抜きのポジショニング、パラメトリック・ポイントカーブの操作変更などが加わり、また、CameraRawを起動するとすぐわかりますが、これまでのCameraRawを払拭するインターフェイスを搭載しました。CamaeaRawのインターフェイス刷新は、かなり久しぶりのアップデートになりますが、AfterEffectsやPremiere Proのようなインターフェイスになり、複数の編集パネルを同時に開いておくことが可能になりました。

CameraRawはプラグインとなりますが、今回のアップデートにより1つの独立したアプリケーションのように使えますので、今回のブログではその刷新された部分をご紹介したいと思います。

●さっそくやってみよう!

まずは、何らかのRawデータ、またはPSD,JPEG PNG,TIFFなどを画像を指定形式Rawとして開き、CameraRawを起動します。アップデートの初起動直後に、新しい初期設定を使用するかどうかを聞いてくるため、そのままOKします。

デフォルトのインターフェイスが以下のように変更となります。基本補正の各項目は、開閉式のタブになり、12.2までのCameraRawと比べてかなりスッキリした印象になります。

Camerarawの環境設定から一般を選択すると、編集パネル操作、という項目があり、ここを「マルチ」にしておくと、編集用のタブを複数展開しておくことが可能になり、他の設定がどのようになっているかを俯瞰的に確認しながら編集可能になりました。

特筆する機能としては、補正ブラシ、段階フィルター、円形フィルターの各部分補正系のツールに、色相スライダーが追加されたことです。これは、画像の他の部分に影響を与えずに、特定の領域のカラーを変更する機能で、例えば補正ブラシツールを使用し、色相スライダーを調整した状態で画像の上でドラッグすると、ドラッグした範囲の赤い箇所のみ、青に変更するなど、特定箇所の色相を変更できるようになりました。

また、切り抜きツールを選択すると、選択しただけで切り抜かれるエリアが画像の中央に表示されるようになり、画像に対して切り抜かれる箇所のポジショニングが容易になりました。

さらにカーブは、パラメトリックカーブとポイントカーブが1つのグリッドにスイッチの切り替えで共有するようになりました。特にパラメトリックカーブはPhotoshopのトーンカーブのようにアンカーポイントを追加し、アンカーポイントの可動範囲を明示した上でマウス操作のドラッグで調整可能になりました。

なお、これら基本補正の各項目は、option【Alt】キーを長押しすると、各項目ごとにそれぞれの値をリセットすることが可能です。

インターフェイス周りは、プラグインというよりも独立したアプリのような形になりましたが、考えてみれば、2020になってからCamaraRawのインターフェイスだけ従来バージョンを継承していたため異種独特だったような気もします。ただ、なんと言ってもやはり一番のメインは部分補正が可能な色相の機能になるかと思いますので、バージョンアップがまだの方はぜひバージョンアップして使ってみてください。


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▼Photoshop 2020の使い方・基本トレーニング
メインビジュアル:Photoshop CC 2020の使い方・基本トレーニング


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