「紙と、インクジェットと、三人のマニアたち。」展が平和紙業 ペーパーボイス東京で開催
“紙とインクジェット印刷で、新しいものづくりに挑戦しよう”という呼びかけで行われた展示イベントが催されました。2018年秋、3人のアートディレクターが集まって、PAPER & INKJET MANIA の活動を始めました。普段は広告やデザインの仕事をしている3人の、部活のような創作活動。株式会社ショウエイと平和紙業株式会社の協力のもと、それぞれ違った個性の作品が完成しました。展示された作品を紹介しましょう。
MANIA1 小柳 祐介 “あまりっこ動物”
印刷は、その過程でたくさんのゴミが出ます。小柳祐介氏が着目したのは、捨てられてしまう紙の端にも、他の部分と変わらない手触りや匂いがあるということです。人工知能と印刷の技術を駆使して、ただの端材を、子どもたちが紙に親しめるおもちゃ“あまりっこ動物”に生まれ変わらせました。





MANIA2 田中せり “粒をレイアウトしてみる”
田中せり氏の作品は“粒をレイアウトしてみる”というテーマです。インクジェットが吹き付ける粒子が紙に届くまでの距離をコントロールし、イメージを鮮明にしたり、あえてぼやけたグラデーションにすることができます。本来、印刷には計画とそれに対する正確さが求められます。しかし田中氏は、印刷機器と紙の間に無関係な物を置くことで、その予定調和を壊すことに挑戦しました。印刷に対する「いたずら」のような行為を重ねることで、未開拓の印刷の世界を冒険します。





MANIA3 八木 彩 “Touching is Seeing”
八木 彩氏がつくった4枚のポスターシリーズは、普段は“見るメディア”として使われるポスターを“触るメディア”として捉え直す実験的作品です。タイトルは“Touching is Seeing”。20種以上の紙の質感と立体的なインクの質感の組み合わせによって、紙と印刷マニアの心をくすぐる「新しい触覚体験」を生み出しました。



Information
【イベント情報】
会期:
2019年3月15日(金)〜3月30日(土)[日曜・祝日休館]
9:00~18:00
会場:
平和紙業株式会社 ペーパーボイス東京
〒104-0033 東京都中央区新川1-22-11
TEL:03-3206-8541
協力:
株式会社ショウエイ/平和紙業株式会社
【クレジット】
MANIAS:小柳祐介/田中せり/八木 彩
WRITER:壇上真里奈
EXHIBITION DESIGN:尾形 逹(B6 studio)
PRINTING DIRECTOR:山下俊一(株式会社ショウエイ)
PAPER DIRECTOR:西谷浩太郎(平和紙業株式会社)
【リンク】
PAPER & INKJET MANIA
www.shoei-site.com/
Instagram:paperandinkjetmania
TEXT:ファーインク 生田信一