Iridesse Production Pressから生み出された百花繚乱の花 「Flowers of Iridesse」が見せた新しい表現

7月26日〜31日にかけて東京ビッグサイトで開催され、盛況のうちに幕を閉じた国際総合印刷機材展「IGAS2018」。その中で、異彩を放った展示があったことをご存じだろうか。それは、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズのブースに展示されたフラワーアレンジメント──「Flowers of Iridesse」である。

なぜ富士フイルムグローバルグラフィックシステムズのブースにフラワーアレンジメントが展示されていたのだろうか? なんと、この作品に使われているバラの花はすべて富士ゼロックスのデジタル印刷機「Iridesse Production Press」で印刷されたものだという。女子美術大学と女子美術大学短期大学部に在籍する40名以上の学生たちが、富士ゼロックスが開催したワークショップを通じてメタリックカラーという新しいオンデマンド印刷の表現に触れ、「明日への希望の花」をテーマに作り上げた個性あふれる花々だ。そして、アレンジメントを手掛けてアート作品にまで昇華したのは、華道家の假屋崎省吾さんである。

この美しいフラワーアレンジメントがどのように制作され、アート作品となったのか、IGAS2018での展示に先駆けて、7月21日に富士ゼロックス グラフィック コミュニケーション サービス 東京で開催されたセッションの一部を紹介しよう。

IGAS2018で展示された「Flowers of Iridesse」
現役の学生の皆さんによって制作された170本以上のバラ。さまざまな紙にメタリックカラーで印刷されたものを重ねてバラとして創り上げた

今回のプロジェクトについて、セッションの冒頭で挨拶に立った富士ゼロックスの杉田晴紀グラフィックコミュニケーションサービス事業本部 Future Edge推進部長は「富士ゼロックスでは“新しい知の創造と活用”を企業スローガンのひとつとして掲げています。今回のチャレンジは、新しい印刷の可能性が見つけられる素晴らしい機会になると確信しています」と語った。続けて、假屋崎さんは、「ここに集まった170本以上のバラの花々は、どれひとつとっても同じもののない、マッキー(槇原敬之さん)の歌じゃないけど、本当に“世界にひとつだけの花”ばかり。これが業務用のプリンタ(Iridesse Production Press)で印刷されたものということにも驚きですよね。本当に1輪1輪が素晴らしい仕上がり」と話した。

左:富士ゼロックス株式会社 グラフィックコミュニケーションサービス事業本部 Future Edge推進部長 杉田晴紀氏
右:華道家 假屋崎省吾氏

会場になったグラフィック コミュニケーション サービス 東京には、バラの花を制作した女子美術大学と女子美術大学短期大学部の学生の皆さんも来場。假屋崎さんは、フラワーベースに花を生け始めてから約60分の間、近くで興味深く手元をみつめている学生ひとりひとりに、「あなたはどれを作ったの?」「すごいね!」「これはどんなイメージ?」と声を掛けながら、終始和気あいあいとした雰囲気の中でテンポ良く進めていく。

「本当に1本ずつ色も形も大きさも美しさも違うね」と言いながら花が生けられていく

気付けばフラワーベースにはアッという間に170本以上の花が生けられ大輪の花が咲き誇った。この作品のタイトルは「Flowers of Iridesse」。印刷された紙そのものは無機質だが、制作を担当した学生の皆さんと假屋崎さんの手を経ることで想いや生気のようなものが宿り、生花をも上回るような強い生命力と輝きをはなっているように見えた。冒頭で杉田氏が語ったように、Iridesse Production Pressによる印刷の新たな可能性を見出した瞬間ではなかっただろうか。

徐々に完成形が見えてきて会場内の熱も上がってきた
アッという間に完成。個性あふれる花々がひとつのアート作品として昇華された
バラの制作に携わった学生のみなさんと記念撮影。本格的な業務用のオンデマンド印刷機を初めて見たという皆さんだが、Iridesse Production Pressのメタリックカラーには大きな刺激を受けたようだ。そして、假屋崎さんの感性に触れることでさらに創作力も高まったに違いない

文・写真 西村希美