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林忠彦生誕100周年作品BOX『無頼』を刊行 美術版画工房のアーティーがアーカイバル®の技法で再現(新潮社)

 林忠彦は、昭和を代表する写真家のひとり。太平洋戦争後の日本の風俗や風景など多岐にわたる写真を撮影、カストリ雑誌ブームの時流に乗り、一躍有名になった。また“無頼派”と呼ばれる文士・太宰治や坂口安吾、織田作之助らの肖像写真を多数手がけた。こうした一連の写真は、その後、写真集『日本の作家』(1971年、主婦と生活社刊)、『文士の時代』(1986年、朝日新聞社刊)をはじめ、様々な媒体で発表され、高い評価を得てきた。
 今回、そんな中から、詩人・高橋睦郎氏が「無頼」をキーワードに8人の文士をピックアップ、8葉の作品を1枚1枚たとう紙に納め、さらに選者の高橋睦郎氏による解説および、各作家の“無頼ぶり”を象徴する作品の一節を引用掲載、林忠彦自身が遺した撮影時のエピソードを加えた小冊子を同梱して販売する。パッケージは特製のトタン製の缶で、ユニークな仕様になっている。
 収められた写真は、美術版画工房アーティーが、アーカイバル®という技法を駆使して制作している。アーカイバル®は、高精細インクジェットプリントによるアーティー独自の技法名で、長年の美術版画制作を通じて培われた「こだわり」により、ディテールを最大限に捉えつつも写真プリントとは一味違う、オリジナルの美術作品として仕上げている。林忠彦ファンは元より、昭和における文学史の貴重な記録として後世に伝えるべき、永久保存版の作品集になっている。

林忠彦生誕100周年作品BOX『無頼』
解説:高橋睦郎 監修:林義勝 企画:木本禎一
写真8葉(A4サイズ)、解説28頁、特製のトタン製BOX入り
120セット限定生産、シリアルナンバー入り
価格:120,000円(税別)
販売:新潮オンラインショップ
www.shincho-shop.jp


構成・テキスト
生田信一(ファーインク)