【しくみ事典2018Web出張版】Adobe Creative Cloudの最新動向 Illustrator CCの新機能

※この記事は「カラー図解 DTP&印刷スーパーしくみ事典 2018」から一部の記事を転載しています。隔週で更新予定です。

OVERVIEW

▶Adobe XDライクな「プロパティ」パネルが搭載
▶アートワークを自由に変形できる「パペットワープツール」
▶異なるグループの複合パスの連結が可能に
▶連続したテキストオブジェクトや文字のライブ表示

2017年10月にリリースされたIllustrator CC(Ver.22.0.0)では、「プロパティ」パネル「パペットワープツール」という新しいパネルやツールが追加された。目新しい機能以外には、文字タッチツールや選択範囲に合わせてズーム機能が設定によって表示/非表示を切り替えられるようになったりと、ユーザが不要と判断した機能をオフにできるなど細かい改良が行われている。
使い勝手における改良としては、異なるグループの複合パスが連結できるようになったりアートボードの再配置が可能になったりアクションにスクリプトが保存できるようになった
また、OpenType SVGフォントやバリアブルフォントへの対応などWeb用途を主としたフォント環境にも対応した。
Ver.22.0.0は、旧バージョンで作成したファイルを開くと禁則処理や文字組アキ量設定が変わってしまうというバグがあったが、2017年11月にリリースされたVer.22.0.1で修正されている。

「プロパティ」パネルによる作業効率の大幅な向上

Adobe XDに似たインタフェースの「プロパティ」パネルが搭載された。これまでのコントロールパネルと機能が重複するものも多いが、コントロールパネルと併用が可能となっている。
プロパティパネルはオブジェクトを選択していない状態や、パスオブジェクト、テキストオブジェクト、複数オブジェクト、複合シェイプの選択時など、状況に合わせて表示内容が切り替わるようになっている。変形項目には「水平軸に沿って反転」と「垂直軸に沿って反転」が追加されたので、変形の基準点によってオブジェクトの反転が効率的に行えるようになった。
オブジェクトを選択していない「選択なし」の状態では、アートボードや定規とグリッド、ガイド、スナップオプションの他、環境設定の使用頻度の高い項目やクイック操作によりドキュメント設定や環境設定に素早くアクセスできるようになった。
操作性や表示項目、クイック操作の項目は改良も必要だが、十分に作業効率が上がる新パネルである。

オブジェクト選択時には、変形パネル、アピアランスパネルの使用頻度の高い機能にアクセスできる。また「…」のアイコンをクリックすることでそれぞれのパネルが表示される。クイック操作の項目には選択オブジェクトに合わせた機能のショートカットが用意されている
オブジェクトを選択していない状態では、ドキュメントやアートボードに関する設定が可能になっている

自由度の高いアートワーク制作を実現する「パペットワープツール」

2007年にリリースされたAfter Effects CS3で初めて登場した「パペットツール」が、2010年のPhotoshop CS5で「パペットワープツール」として登場し、ついにCC(Ver.22)でIllustratorに搭載された。パペットワープツールは、オブジェクトをアニメーションのパペットのように動かすことができるツール。パペットワープツールでクリックされたオブジェクトはメッシュが生成され、クリックした箇所にピンが打たれる。ピンは複数打つことが可能で、ピンを基点にシームレスに移動や回転が可能になる。ブラシが適用されている線にも適用することができ、またパペットワープツール使用時には「プロパティ」パネルに「メッシュを拡大」「メッシュを表示」「すべてのピンを選択」の3項目が表示される。
元のオブジェクトが複雑だったり、あまり極端な変形を行うと形状のコントロールが難しくなるので注意が必要だ。

パペットワープツールでクリックすると、ピンが追加される。ピンは追加や削除が可能で、ピンを移動して変形したり、ピンを選択して表示される点線の円を動かすことで回転できる
複雑な形状のオブジェクトであったり、極端な変形をしてしまうと、形状が捻れてしまうことがある。ピンを操作した際に、近いパスも影響を受けるので、元のオブジェクトの作成には注意が必要

異なるグループの複合パスの連結

Illustrator CC 2017まではグループ化されたオブジェクト同士のパスを連結しようとすると、アラートが表示され連結することができなかったが、CC(Ver.22)では異なるグループの複合パスの連結が可能となった。

これまでは、グループ化されている場合はグループ内のオブジェクトの連結のみが可能であった
CC(Ver.22)ではグループ化された複合パスの端点同士のパスを連結することが可能になった。グループを解除する必要がなくなり作業効率がアップした

テキストオブジェクトの連続作成、文字パネルのライブ表示

これまでは複数のテキストオブジェクトを作成するには、テキストに挿入されたカーソルをツールを持ち替えて外す必要があった。CC(Ver.22)では、挿入カーソルがある場合でも、文字ツールのままテキストオブジェクトの別のエリアをクリックすることで挿入カーソルが外れ、連続してテキストオブジェクトが作成できるようになった。
また文字パネルの設定がライブ表示されるようになり、文字パネルの設定にテキストが反応する。


テキストが選択されている状態で、文字パネルのカーニング以外の設定が、カーソルを合わせるだけでライブ表示されるようになった


INFORMATION
しくみ事典2018 Web出張版は、書籍『カラー図解 DTP&印刷スーパーしくみ事典 2018』から一部の記事を転載して掲載しています。

『カラー図解 DTP&印刷スーパーしくみ事典 2018』
定価 4,104円(税込)
ISBN 978-4-86246-405-7
DTP&印刷スーパーしくみ事典は、DTPや印刷業務に携わるすべての人に役立つ図解事典です。 巻頭特集では「最新トピック100」と題して、「付加価値を創出する最新事例」、「Adobe CC最新動向」、「デジタル印刷最新動向」といった幅広い分野を網羅する業界最新トレンドを多数ご紹介します。