基礎力アップ!デザインの教科書連載

基礎力アップ!デザインの教科書【Illustrator】レイヤーの管理

グラフィック作成の定番ソフト、Photoshop、Illustrator、InDesignを初めて使う方のために、基本操作を体系的にまとめたガイドブック、『Photoshop+Illustrator+InDesignで基礎力を身につけるデザインの教科書』。本連載ではその書籍の中から、特に知っておきたい知識やテクニックをご紹介します。

学習のポイント
●オブジェクトの重ね順を変更する方法を覚えましょう。
●レイヤーパネルを使うと、個々のオブジェクトを選択し、重ね順を変更できます。
●新規レイヤーを作成すると、オブジェクトをグループ単位でレイヤー管理できます。

オブジェクトを前面/背面に送る

Illustratorのオブジェクトは、新しく作成したものが前面に重なります。オブジェクトの重ね順を後で変更するには、オブジェクトメニューから[重ね順]を選び、[最前面へ][前面へ][背面へ][最背面へ]を選びます。このコマンドは頻繁に使うので、ショートカットを覚えておきましょう。また、controlキーを押しながらクリック(あるいは右クリック)してコンテクストメニューを表示させることができます。
レイヤーパネルを表示させると、レイヤー名をドラッグして重ね順を変更することができます。

コマンドを使って移動する

3つのオブジェクトが重なっている。真ん中の「TYPE」のオブジェクトを選択する

オブジェクトメニューから[重ね順]→[前面へ]を実行する

このコマンドはオブジェクトを1つ前面へ送る。結果は上図の通り

コンテクストメニューを使う

[重ね順]のコマンドは、送りたいオブジェクトを選択し、control+クリック(あるいは右クリック)して現れるコンテクストメニューからでも実行できる

レイヤーパネルを使って移動する

レイヤーパネルを表示させると、個々のオブジェクトに名前が付き、重ね順もわかる。一番上の「TYPE」レイヤーをドラッグして下まで移動する

マウスボタンを放すと、移動が実行され、最背面に送られた

レイヤーパネルを活用する

Illustratorで作成したオブジェクトはすべてレイヤーパネルに表示されます。レイヤーパネルの左側には「表示コラム」と「編集コラム」があります。新規レイヤーを作成すると、オブジェクトをグループ単位に分けて管理することができます。レイヤーパネルでオブジェクトを選択するとカラーボックス(小さな四角形)が表示されますが、このボックスをドラッグすることでレイヤー間を移動できます。さらにパネルメニューには[クリッピングマスクを作成]があり、レイヤー内のオブジェクトを特定の形でマスクすることもできます。

レイヤーパネルの名称と役割

①表示コラム:目のアイコンの表示のオン/オフで表示/非表示を切り替える
②編集コラム:鍵のアイコンを表示させるとロックされ編集できなくなる。表示オフで編集可能となる
③レイヤー名:ダブルクリックしてレイヤー名をつけることができる
④パス名:ダブルクリックしてパス名をつけることができる
⑤ターゲットコラム:アピアランスパネルの効果および編集属性のターゲットとして指定されているかどうかを示す
⑥選択コラム:項目が選択されているかどうかを示す。項目が選択されている場合はカラーボックスが表示される

新規レイヤーの作成

新規にレイヤーを作成するには、パネルメニューから[新規レイヤー]を選ぶ、あるいはパネル下の[新規レイヤーを作成]ボタンをクリックする

[レイヤーオプション]ダイアログが現れる。このダイアログで名前をつけたり、各種オプションを設定できる

レイヤーは、わかりやすい名前をつけておくと、オブジェクトを管理しやすくなる。表示やロックのオン/オフもアイコンのクリック操作で行える

クリッピングマスクの機能

地図を作成し、最前面に塗り、線を「なし」に設定した四角形を配置した。レイヤーパネルでレイヤー名を選択し、パネルメニューから[クリッピングマスクを作成]を実行する

クリッピングマスクが作成されると、四角形の形でマスクされ、周囲の余分なオブジェクトが隠れる。個々のオブジェクトはグループ化されないので、この後の編集操作が容易になる

INFORMATION
基礎力アップ!デザインの教科書は、書籍『Photoshop+Illustrator+InDesignで基礎力を身につけるデザインの教科書』から一部の記事を転載して掲載しています。

『Photoshop+Illustrator+InDesignで基礎力を身につけるデザインの教科書』
定価 2,700円(税込)
ISBN 978-4-86246-389-0
発行・発売 ボーンデジタル
はじめてAdobeのアプリケーションに触れる方を対象に、グラフィックソフトウェアの定番であるPhotoshop、Illustrator、InDesignの3大アプリを、デザイン制作を通じて基礎から学ぶことができる。